RTL-SDRのH/Wの選定

今日は、低価格で購入できるソフトウェア無線(Software Defined Radio)のH/Wの構成部品と価格に関して、ご紹介します。

これらのH/Wは、USBドングルの形をしており、受信信号の復調にRTL社のICが使われていることから、一般的にRTL-SDRと呼ばれています。

2016-01-05 14.37.54

このRTL-SDRの主要構成部品は3つあります。

一つ目はTuner IC, 二つ目は、Demodulation IC, そして最後の3つ目はQuartz Crystalです。

この3点の構成部品に注目すると、いろんなRTL-SDR製品群の中で、自分に合うものを選ぶことが可能です。

 

(1) Tuner IC 

Tuner ICでRTL-SDRの周波数範囲が決まります。下記の表に書いてあるもので、どれもいいと思いますが、ネットで入手できる製品には殆どR820Tが使われています。

製品名にR820Tと書かれたら、「あ、これはTunerのことを言ってるんだ。」と思ってください。

参考として、R820Tの最低周波数が24MHzです。

この仕様より、アナログAM放送の受信が出来ないことがわかると思います。(最初、SDR#でAM放送受信をトライした時、出来なかった理由がわからず苦労したことがありましたので、敢えて書かせて頂きました。)

Tuner IC Frequency Range (MHz) Comments
E4000 52~1100, 1250~2200
FC0012 22~948.6
FC0013 22~1100
FC2580 146~308, 438~924
R820T 24~1766 定番のTuner IC

最近、R820T2という製品も出ている。

(2) Demodulation IC

このICは、RTL-SDRの心臓部です。

USBドングルの形をしているSDR受信機をわざわざRTL-SDRと呼んでいることでも分かるように、全ての製品にRTL2832Uが入っています。

Demodulation IC Comments
RTL2832U 全ての製品にこれが入っている。

 

(3) Quartz Crystal (水晶振動子)

RTL-SDR内部の局部発振器として、28.8MHzの水晶振動子が入っています。

これらの水晶振動子は、価格によって常温・温特の誤差が大きくことなり、RTL-SDRの周波数安定性に大きく影響します。

既によい水晶振動子が実装されている製品を購入するか、あるいは安価なものを買ってから、高精度の水晶振動子を別途購入し、自分で交換することになります。

Quartz Crystal Error (PPM) Price (JPY) Link
HC-49/US Type +/- 50 PPM 0 製品に基本搭載。+/- 50 PPM以上である噂もある。
SMD(表面実装タイプ) +/- 10 PPM 1,280 表面実装型水晶振動子 28.8MHz 常温/温特/±10PPM以下 RTL-SDR搭載用
HC-49/US Type (日本製) +/- 10 PPM 850 水晶振動子 HC-49/US 28.8MHz日本製

 

例えば、アマゾンでRTL-SDRで検索すると、いろんな製品が出てきて、どれを買えばいいか一瞬迷います。

それで、下記の表に体表的な製品を4つ選び、まとめてみました。

また、日本ではSHAFT Coorporationという会社がRTL-SDRと関連製品の販売で有名です。

この会社のブログに様々な有益な情報が掲載されていますので、リンクを貼っておきます。

SHAFT CoorporationのBlog

 

No Name Tuner IC + Demodulation IC Quartz Crystal Price(JPY) ** Link Comment
1 DVB-T+DAB+FM R820T+RTL2832U +/- 50 PPM 1,530 DVB-T+DAB+FM USB チューナー RTL2832U+R820T アンテナが付属
2 RTL-SDR R820T2 & SDR

USBチューナー単品

R820T2+RTL2832U +/- 50 PPM 2,680 RTL-SDR R820T2 & SDR USBチューナー単品 SHAFT Corpの製品。チューナはR820T2.

アンテナは無し。

3 X-tal 常温/温特±10PPM実装TV28Tv2DVB-T(R820T)

チューナー単品

R820T2+RTL2832U +/- 10 PPM 3,750 X-tal 常温/温特±10PPM実装TV28Tv2DVB-T(R820T)チューナー単品 SHAFT Corpの製品。チューナはR820T2.

SMDの水晶振動子採用で誤差改善

アンテナは無し。

4

受信周波数高安定、

高精度/TCXO(温度補償型水晶発信器±0.5PPM)搭載TV28Tv2DVB-T(R820T)チューナー単品[RTL2832U+R820T]

R820T2+RTL2832U +/- 0.05 PPM 5,750 受信周波数高安定、高精度/TCXO(温度補償型水晶発信器±0.5PPM)搭載TV28Tv2DVB-T(R820T)チューナー単品 SHAFT Corpの製品。チューナはR820T2.

周波数安定性が一番いい。

アンテナは無し2016年1月時点での価格

** 2016/01/05の価格

結構な価格の差がありますね。1500円から6000円まででしょうか。

上記の表での、各製品の価格の差の原因について説明します。

まず、一番最初の1,530円のものは、普通の水晶振動子とDemodulation ICがR820Tです。

その以降は、Demodulation ICが改良品のR820T2になります。そこからは水晶振動子の性能で価格が高くなります。

予算に余裕があり、より性能がいいものが欲しい人には、高いものを買ったほうがいいと思います。

そうではない人には一番安いものを買っても基本的に性能には問題ないと思います。慣れてると不満が出てくるかもしれませんが、最初は低価格なもので十分だと思います。

従って、まずSDRに触れてみたいと思っている方は、1番や2番の製品がおすすめです。1番より2番の方が少し性能が良さそうで、SHAFT corpのサポートも期待できます。但し、2番の製品の場合、別途アンテナを用意する必要があります。(数百円)

SDRに慣れて、何か性能に不満が感じたら、新しい製品に買い替えるのではなく、1,000円程度を投資して水晶振動子を購入して自分で実装すれば対応できると思います。

2016-01-05 14.38.26
DVD-T+DAB+FM 一番安いもの。といっても外見は他の製品と同じ。

最後に、RTL-SDRの参考書籍ですが、いろいろ調べた結果、私には下記の本が一番良かったです。

The Hobbyist’s Guide to the RTL-SDR: Really Cheap Software Defined Radio (English Edition)

CQ出版社でも日本語のSDR関連書籍を出していますが、内容がバラバラで1つの本では必要な内容が入手できませんでした。

上記の英語の本は、Kindle番で999円の安価で販売しています。そして、読みやすい英語で書かれていますので、英語に自身がない方にもご心配は入りません。

Leave a Reply